カテゴリ:ブログ小説

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今書いているのはこんなお話


「星」という特殊な痣を持って生まれた人たちの話です。

一般的に悪や魔と呼ばれるものを視認することができ、それらと戦うことが役目だけれど、
本当に悪いものとは何かいつもわからずに悩んでいる男の子が主人公。
男の子は高校一年生、15歳。フレッシュです。わたしとしては初の男の子主人公です(笑)
名前は蒼路(そうろ)。高村蒼路。
猫又や神狐をお友達につけて、日々満身創痍になりながらも明るくまっすぐに生きています。


以下は追記で。


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こういうの


書きたい。
王道・少年漫画風。


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07:59 | ブログ小説 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑

Ristorante Azzuro


つづきを書いて見る。
ファンタジー感加速中。


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21:39 | ブログ小説 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑



雪はおれのことを「光」だと言った。
ねえ、アヤが居てくれてよかった。
アヤがいなければあたし、きっと一歩も歩けなかった、と。

でも、俺はあいつにそう言われる度に、胸に走る鋭いいたみを感じていたんだ。

違うんだ、雪音。
おれは光なんかじゃない。
お前は知らないだけなんだ。

父さんも母さんも、どうしてあれほどお前の事を慈しんで育てたと思う。
どうして俺が、お前にここまで狂ってしまったと思う。

純粋で、弱くて、汚れるのを嫌って、いつも自分の空気だけを吸って生きている。
きれいな雪。


本当は──


***


清浄な空気の下で、この街はいつも二重の景色を持つ。
こものかけられた平屋の屋敷。その脇を、轟音を立てて通り過ぎて行く鉄の俥(くるま)。
ずっしりと咲き誇った桜がかこむ白亜の城の、その背景に霞む灰色の街並み。
人々は急ぎ足で、あるいはゆったりと、踵の高い洋靴を履いている時もあれば、草鞋をつっかけている時もある。

不思議な街だ。
浸っていると、どちらの景色が本当の今なのかさっぱりわからなくなる。
自分という人間は希薄になっていくような、そんな独特の空気を持つ街だった。
とても遠い所、彼女から遠く離れた場所。

だから、選んだ。







10:54 | ブログ小説 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑

最愛の



夢のようなひと だから
夢のように 消えるのです


傷が痛む。
眠っている間には遠く感じていたそれが、目覚めた途端、火が付いたような激痛に取って替わった。
もう長くは持たないな、と、苦痛に歯をかたく噛みながら、青年はせめて少しでも楽な姿勢を取ろうと背中を丸めた。
だが冷たい岩の地面は、青年がどう寝転がろうと彼を硬く拒絶する。
何度かじりじりと体制を変えてみてから、やがて諦めて、彼はけっきょく空を見上げた。
仰向けになると、力が抜ける。
だから最後まで、この体制だけは取るまいと、決めていたのに。

──ああ、でも、それでも、俺は頭だけは下げなかった。

媚びることも、屈することも、生きている間にはけして選ばぬと決めていた。その通りになった。
他者に礼節を尽くさなかったという意味ではない。
誰かに媚びることでしか、己の居場所を見いだせないような、そんな人間では居たくないと思っていたということだ。
膝を折ることも、叩頭することも、反吐が出るほど嫌いだった。

──だからだろうか。

青年は息をひとつ、深くついた。
闇空を流れる雲が白い月を気まぐれに見せてくれた。
その、しらじらと、恐ろしいほど輝く光に、遠い面影が重なった。

遠い姫君。
捕らわれの、だが、不屈の。
星の娘。

──謝ることも、結局出来なかった。

夢のような、人だったと、思う。
いや、違う。
彼女が夢なのではなく、自分が夢を見たのだろう。
誰のために生まれてきたわけでもないと思っていた。
今でもそう思っている。

だが、自分は、彼女とまみえて初めて、自分が他者のために存在する喜びを知った。
この手が生み出せるものを知った。
この手が、守れる僅かなものを、見せてもらえた。

百を、知ったわけでも、守れたわけでもないと、解っている。
けれど、その内の、例え一だとしても、己が知れたとしたなら。守れたとしたなら。
自分がこの命を賭すべきものだと思えた。

『人は誰にも必要となどされない。必要と思う権利も、当然無い。命は尊いものだ。命は、誰に利用されるために生まれてくるわけではない!』

火花のように言い切った姫君こそが、自分の、喜びであったのだ。
生まれてきて初めて出会った、そして最後の、喜び。

──姫。

青年は朦朧としはじめて、眼を閉じた。
伏せられたまぶたの上からも感じる強い月の光。

──あなたが幸せであってくれるなら……それでいい。

同じように想ってくれとは、思っていない。
けれど、せめて少しでも、この身を想う瞬間が、貴女にあるように。
そう祈るくらいは、許されるだろうか。

(死にたくないとは……もう言えまい)

強がっているのだ。
わかっている。
姫、あなたは、わかっていただろうか?

涙が、一筋、頬から耳へと伝い流れた。
驚くほど熱い涙だった。


青年は、そこで大きく、息を吸った。



21:59 | ブログ小説 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
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