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誰も寝てはならぬ


のサックス伴奏曲を頼まれてないのに遊びで弾きまくっていたら、
結局サックス吹きの男の子が折れて弾いてくれることになりました(笑) イエーイ!
めっちゃ大好きな曲だからうれしいー!

やっぱり音楽楽しいなー。
ピアノ楽しいなー。
単純だけど、仲間がいるとやっぱやる気みなぎるんだ。



 
誰も寝てはならぬ
誰も寝てはならぬ

姫、あなたでさえも!

秘密はこの胸の奥ふかく
誰も私の名を知らない
しかし夜が明ければ、それをあなたの唇に告げよう!

私の口づけがこの沈黙を破る
そして私はあなたを得るのだ!







「大事なものがいくつもあるのね、あんたには。」

帰り途、セイはほろ酔いなのか、機嫌よさそうに空を見上げてハミングしていた。今宵は晴れだ。こぼれおちそうな星空を受け止めるかのように両手を広げ、くるくると軽やかに廻る、姉のシルエット。

「あの子もそう……小夜とか、真祈とか、もちろんお父さんお母さん。チェロに音楽。それから友達も? 情にもろいからねえ、あんたはねえ」
「ねーさん、酔ってるな」
「少しくらいよ。いいじゃない、たまには。ひさしぶりに会えたのに」
「セイは彼氏いるんだろ?」
「いるよー。いま、その人の家に住んでるよー。」
「どんな奴?」
「年下くん。単純で、まっすぐで、人なつっこいの。少しアンタに似てるとこもあるかなあ。好きな人には懐くとことか、笑うとかわいいとことか」

セイはぺらぺらと喋った。界は照れてしまいながらも、小さく笑う。
自分のことをよく知られているという事実がある以上、自分はたぶん、このひとに無条件によわい。それが無防備なような、心地よいような。なんともデリケートな気分だった。

「セイ、俺」
「んー」
「決めたくない。選びたくない。これ以上……って言ったら、情けねえかもしれないけど」
「あんたは、いつも自分で決めてきたからね。人の分まで。みんながあんたに頼るから」

わかられている。泣きそうになった。
思わず立ち止まってつよく手を握りしめてしまう。
セイは振り返ってそんな弟の姿をみとめ、そして、ふいに「ねえ」と、ほほえんだ。

「なに?」

界は顔を上げる。姉の顔立ちが、うすい月明かりに照らされていた。
姉は清廉なひとだと思う。特別美しいわけではないが、その動作のひとつひとつが、躊躇ない生き方が、澄み渡った空のようなのだ。

「あたし、今度、ウェストサイドを踊るの。」

そしていきなりステップを踏み始めた。
ほっそりとした手首が反り、首が夜空を向く。それだけで、彼女の周りの空気が激変した。
スニーカーの足もとなのに爪先で立ち、見えないパートナーを追いかけるように彼女は駆けてゆく。
乞うような背の曲線。さらさらと揺れる髪。

ああ、久しぶりにみた、と界は目を細めた。
姉さんの、姉さんだけが踊れるダンス。





20:45 | 音楽 | comments (0) | trackbacks (0) | edit | page top↑
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