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おめでとうございます。


明けましておめでとうございます。
みなさま、いつも大変お世話をおかけしておりますが、どうぞ今年もなにとぞよろしくお願いいたします。

今年の目標はですね……うーん。

①できるだけピアノを弾くこと
②なにか勉強をすること。もしくは資格を取る
③本をいっぱい読む
④面倒くさがらない

かな。
小説は、もちろん常に書いていきます。
でも最近、眼がすごく弱っていて、パソコンで小説を書くことができないんですよ。
だから全然更新できていなくて、ほんとうに申し訳ないです。

でも、サイトはずっと続けていきたいと思っているので、どうぞよろしくお願いいたします!


2011 元旦
中川拝 






「眠れないの?」

ひそやかな声とともに、開け放していた書斎のドアがノックされた。
おれは僅かに顎をあげ、眼をまばたいた。息を吸う。

「……悪い。起したな」
「いいえ。わたしも、何だか眠れなくて。──入ってもいい?」

遠慮がちに首をかしげた緋乃の瞳に、ごくわずかな月明かりが反射して光がきらめいた。
星だ、とおれは思った。遠く清かな、星の瞳。

「勿論。おいで」

ちいさく笑って手招くと、彼女はほほえんだ。
闇夜に咲く、白い花のような笑顔で、おもわず見惚れる。
とてもしずかだった。
時計が小さく時を刻む音だけが、この夜の空気をふるわせている。

「はい。寒いから」

やがて緋乃が、おれの隣に腰を下ろした。両手に持っていたふたつのマグの内、片方をおれに差し出す。
甘い香りのカモミールだ。

「ありがとう」

おれは礼を言ってマグを受け取った。
一口あつい液体をすすると、やさしい香気が体じゅうに沁みわたり、ぬくもりを灯してゆく。
そうなってはじめて、ずいぶん永いこと自分がここに居たらしいことを知った。

──たぶん、緋乃は起きていたんだ。ずっと。
そしてドアをノックしてくれた。

考えたけれど、口にはできなかった。何故か。
代わりにこんなことを言っていた。

「緋乃」
「はい?」
「……相変わらず、夜は永いものだよな。」

どうしてこんなにも、闇は濃く息づいているのか。
そして月が在り、冴え冴えと天から地上を見下ろしているのか。
いろいろなことが心をめぐって、眼を閉じても、ひらいても、うつるのは同じ闇ばかりだ。

息ぐるしい。夜はとても。

緋乃は黙っておれを見ていた。言葉もなく、ただ、まっすぐに。
彼女のたてる小さな呼吸の響きひとつひとつが、その瞳のきらめきの一つ一つが、俺の夜に添う灯りであることを、彼女はきっと知りはしない。

「──ありがとうな。いつも」

おれも、じっと彼女を見つめて、小さくそう言った。
カモミールの甘い香りが、おれ達を取り巻く夜をたゆたっていく。
緋乃は、やがて俺の方にしずかに頭をもたせかけた。
そして夢のような瞳を閉じた。

「……こちらこそ。」




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